朝日新聞集団訴訟 勝ち目がないのに戦ったの? 後編 #チャンネル桜 #チャンネル錯乱

 朝日新聞集団訴訟の件の後編です。

 NHKジャパンデビュー訴訟と朝日新聞訴訟はいずれも集団訴訟と言う形をとっています。集団訴訟にはメリット・デメリットありますが、メリットは一つの裁判にすることで原告一人一人にかかる費用を抑えることが出来ること。そして大勢の人がそれを訴えることで社会的にアピール出来ることでしょう。しかしながら、こちらの裁判は相手がマスコミです。マスコミが所謂「報道しない自由」を使うことは今更言うまでもありません。チャンネル桜自体も放送媒体だとはいえ、NHKや朝日とは全く規模が違います。

 そして集団訴訟のデメリットとして、前編でも述べましたが特にこの朝日新聞訴訟の場合、原告が「日本人(しかも外国人でもOK)」という漠然としたものであり、その漠然としたものの名誉を朝日新聞が毀損したということの立証が難しいということです。個人の名誉毀損ですら、立証するのはたやすくはないのですから。

 それでは前半で予告した通り、靖国裁判について語ることにします。

 首相の靖国参拝に関して、違憲判決が出たというニュースを見た記憶のある方はいらっしゃると思いますが、憲法を学ぶ際、判例として学ぶことはありません。なぜそのようなことになっているのでしょうか。

【靖国参拝違憲訴訟】

 小泉元首相の靖国参拝に関する訴訟で、短い期間に複数の裁判が行われています。
 こちらにある図を見て頂くと、福岡地裁と大阪高裁の憲法判断で「違憲」とされています。そこで両方の判決文を見てみましょう。

靖国参拝違憲訴訟 福岡地裁判決文

主  文
 1 原告らの請求をいずれも棄却する。
 2 訴訟費用は原告らの負担とする。


靖国参拝違憲訴訟 大阪高裁判決文

主   文
 1 本件控訴を棄却する。
 2 控訴費用は,控訴人らの負担とする。

 どちらも所謂、原告の完全敗訴です。原告の言い分は全て棄却されているのに違憲判決?一体どういうことなのでしょうか。

 こちらの裁判はいずれも、小泉元首相が靖国神社に参拝したことは違憲行為であるとの主張をし、そしてその参拝に伴う原告への損害賠償を請求したものです。この判決文の中で法的拘束力を持つのは主文です。原告の請求は棄却されているのですが、法的拘束力のない傍論で首相の靖国参拝の違憲性が語られているのです。

 憲法を学んだことのある方なら誰でもご存知だと思いますが、政教分離の違憲訴訟で必ず愛媛玉串料訴訟のことを学びます。愛媛玉串料訴訟では一部原告の主張が認められ、公金からの愛媛県の奉納行為が違憲とされ、それを判例として学びます。

裁判所 愛媛玉串料訴訟

 首相の靖国に対して、小泉元首相に対する裁判と同じように原告敗訴ながら違憲と判断した岩手靖国神社訴訟があります。

岩手靖国神社訴訟

 こちらも有斐閣判例六法平成26年版に記載はあるのですが、「憲法では、厳密な意味では判例といえないものでも講学上重要な意味を持つもの」の分類です。要は違憲とされながらも、法的拘束力は認められず判例にもなっていないということです。

 さて、小泉元首相に対する一連の靖国違憲訴訟ですが、原告は勝訴できると思ってやっていたのでしょうか。恐らくは違うでしょう。では何のために争ったのか。

 簡単な話で「靖国 違憲 福岡」「靖国 違憲 大阪高裁」で検索していただくと、法的拘束力のないこの判決ですが「小泉首相の靖国参拝は違憲」の見出しで多数ヒットします。この判決後の小泉首相の参拝に関しても、判決を考慮するような新聞の論調も見られます。

小泉首相靖国参拝 翌日の各紙社説

彼らはメディアを味方につけているのです。法的拘束力がない傍論でも「違憲」と言わせれば勝ち。それでマスコミを使ってプロパガンダを始めるのです。

 片やジャパンデビューの裁判は?「ジャパンデビュー 裁判」で検索しても基本的にヒットするのはチャンネル桜と原告の「日本李登輝友の会」、他は個人ブログ、メディアは産経ぐらいと言う寒い状況です。

 数を撃って、ほんのちょっとでも自らに有利な傍論を勝ち取ってそれを大々的に宣伝できるサヨクと、片や大量に人を投入して、高裁でちょっと有利な判決が下ってもそれを生かすことが出来ず、結局最高裁で全てひっくり返されてしまう保守陣営。同じような戦い方をしても結果がかなり違います。

 そもそも、この原告団を募集する際に、裁判に負けても運動を盛り上げることが第一だと言う合意があったのでしょうか。私はこの朝日新聞訴訟募集のチャンネル桜の番組を何度か見ていますが、そのような言及は無かったと思います。「英霊のため、これを戦うことで子孫たちに自慢できる」のような美辞麗句は語られていましたが。しかもその運動を盛り上げることの目的がそもそも見失われているように思います。身内で抗議行動をして、支援金を募る以上のことが出来ているのでしょうか。運動の支持が得られているのならば、二千人委員会や、「頑張れ日本 全国行動委員会」の数は増えているはずですが、水島氏から聞かれるのはいつも、会員が減っているので支援を募る言葉ですし、実際、「頑張れ日本」の会員数は明らかに激減しています。

ScorpionsUFOMSGのブログ 会員数596人→165人!朝日もびっくり7割減!頑張れ日本の収支報告書を読む① #チャンネル錯乱

 身内の運動を盛り上げるのと支援金目当てではないかと疑われても仕方ないと思われる行動が、ジャパンデビュー裁判で敗訴した後の行動です。

【直言極言】NHK一万人集団訴訟不当判決の敗訴、最高裁の反日と戦後レジーム[桜H28/1/22]


 番組の最後で控訴人の一人に高裁では勝ち取っていた賠償金100万を私達日本人で払おう、と支援金を募っています。なんだか話が違うような気がするのですが、しかも1月28日の放送で1,807,243円がもう集まっていました。

【日韓合意】未来に禍根を残すな!「慰安婦日韓合意」国民大集会へ!パイワン族と日本の誇りと友情のために[桜H28/1/28]


 
 しかしながら、今でもチャンネル桜のホームページでは支援金の募集をしています。こちらはいつまで募集し続けるのでしょうか。いつご本人にお渡しするのでしょうか。ちゃんと収支報告はなされるのでしょうか?

チャンネル桜 NHK集団訴訟

 結局同じことを繰り返すようにしか見えませんね。大騒ぎして訴訟を起こす→支援金を募る→負ける→抗議行動及び支援金を募集→新しい運動&訴訟→支援金を募る…

 どちらにしても、また繰り返そうとしたのに、今回は裁判所の方から結審と言う事実上の打ち切りの判断がされてしまったわけです。この件は、裁判所が反日とか朝日新聞よりとかそういう問題ではなく、これ以上口頭弁論を聞いても、原告の損害を立証できるものではないと判断されたのではないでしょうか。繰り返しますが、私も朝日新聞の捏造記事には怒っていますがやり方が間違っていると思います。本当に朝日新聞に反省をさせたいのならば、誰も朝日新聞を買わない、読まないようにすることでしょう。

 上念司氏は毎年5%の部数減を3年間続ければ朝日新聞の屋台骨は揺らぐと分析しています。

そうだったのか! 朝日新聞 財務諸表徹底分析

 2万5千人の原告を募れるのだったら、その人たちが少しでも自分の知り合いの朝日新聞購読者に、朝日の捏造の酷さを説得してもらい部数を減らす方がよっぽど効果的なのではないでしょうか。勝てない裁判にお金をかけて、結局世論も動かせない。そしてまた「負けを経験する」くらいなら、地道に活動して勝ちを取りに行く方が賢明だと思うのですが。

 まあ、賢明な方法が取れるようでしたら、今頃チャンネル錯乱とは呼ばれてないですね。何しろ弁護士たちまで裁判官への電凸をすすめるほどまでに錯乱させてしまうのですから。かわいそうなのは騙される視聴者です。愛国活動のつもりで反社会的勢力に手を貸すような羽目になってしまうのですから。

 騙されないためにも正しい知識と判断力を得ることが必要です。それはチャンネル錯乱では手に入りませんよ。いまだに目を覚ませない人はちゃんと考えてくださいね。

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朝日新聞集団訴訟 勝ち目がないのに戦ったの? 前編  #チャンネル桜 #チャンネル錯乱


 チャンネル錯乱の水島社長が中心になって行っていた、朝日新聞に対する集団訴訟ですが、3月17日第三回の口頭弁論で結審になってしまったそうです。

【緊急告知】朝日新聞集団訴訟「第3次原告団」募集&「頑張れ日本」荒川支部講演会のお知らせ[桜H28/3/18]



 どういうことかと言うと、本来、4月、5月とさらに口頭弁論が行われる予定だったのが無しになる。要は、これ以上話を聞く必要がないから判決を下すよとのことです。現在、裁判官忌避で対処する予定だそうですが、別訴を行うために新たに第三次原告団を募集しています。

 しかし、不当裁判云々と吠えていますが、この件に関してはどうやって勝つつもりなのかといぶかしく思っていました。お断りしておきますが、私自身も朝日新聞の報道には怒りを感じていますし、批判する記事も書いています。しかし、この訴訟のやり方には納得いかないものがありました。なぜならば前回のNHKに対するジャパンデビューの裁判のやり方に疑問がありましたし、結局完全敗訴となりました。そして、この朝日新聞に対する訴訟も関わっている主な弁護士も一緒、内容も同じような形の訴訟だからです。

 なぜジャパンデビュー裁判が敗訴したのか。まず訴状を読んでみましょう。

訴状

 これ、本当に勝てると思ってやったのでしょうか。

 当事者ですが

1 被告は、放送法第7条の目的を達するため同法の規定に基づき設立された法人である。

2 原告らは、同法第32条の第1項の規定により、被告と受信契約を締結した者及び契約締結を法律上強制されているものである。

 それでこの原告団ですが、どのような人で構成されているかというと

NHK集団訴訟

【資格・その他】
・ NHKに受信料を支払っている方でも支払っていない方でも結構です。
・ 国籍は問いません。
・ 未成年者はご遠慮下さい。
・ 今回の訴訟は民事訴訟です。受信料を支払っている方については、契約違反で損害賠償請求、支払っていない方については、慰謝料の請求をする予定です。


 要は訴訟委任状を送りさえすれば未成年以外ならだれでも原告になれるわけです。
 そして原告らがどのような損害を被ったかですが

第8 原告らの損害
1 原告らは、被告と受信契約を締結させられているが、原告らが契約締結に応じたのは、被告が本件義務を果した番組を放送することを期待したからである。
2 被告はその期待に反したばかりか、逆に本件義務に反した番組を反していないと居直っている。被告が原告らの期待に反した本件番組を放送したことにより、原告らが受けた精神的損害は、各自1万円を下らない。
3 また、受信契約を締結していない原告らは、本件義務に反した番組を放送する被告との受信契約を強制されるのではないかという精神的不安をかかえている。その不安についての慰謝料は各自1万円を下らない。

 ・・・この精神的損害ってどうやって計るんでしょうか。受信契約してたのに、思ってような放送がされなくて傷ついたー!今は契約してないけど将来契約させられそうで傷ついたー!例えばこのジャパンデビューが放送されたことで、あからさまに精神を患って通院しそれを医師が立証したならともかく、番組を視聴したかもわからない人物の精神的損害で慰謝料請求ってや○ざのいちゃもんかと。

 当然のことながら、一審の請求は棄却されました。

平成24年12月14日・東京地裁「NHK 『JAPANデビュー』 一万人集団訴訟」判決文

主文
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は,原告らの負担とする。

 そこで控訴となったのですが、ここで一転、原告の主張が一部認められました。一審の時とは違って、ジャパンデビューに出演していたパイワン族の高許月妹氏を個別に原告として加え、その方への名誉毀損が認められた形ですね。

高裁 判決文

 主文
1 控訴人高許月妹の控訴に基き,原判決を次のとおり変更する。
(1) 被控訴人は,控訴人高許月妹に対し,100万円及びこれに対する平成21年11月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
(2) 控訴人高許月妹のその余の請求を棄却する。
2 控訴人高許月妹を除く控訴人らの控訴をいずれも棄却する。
3 訴訟費用は,一,二審を通じ,控訴人高許月妹と被控訴人との間においては,これを2分し,その1を控訴人高許月妹の,その余を被控訴人の負担とし,控訴人高許月妹を除く控訴人らと被控訴人との間においては,全部を同控訴人らの負担とする。
4 この判決の第1項(1)は,仮に執行することが出来る。

 その後NHKは上告、そこで原告の請求は全て棄却、ここで原告敗訴確定です。

最高裁判決文

 ここで朝日の訴訟はどのようなものなのか確認してみましょう。

訴状

 1 原告は(略)ら合計 8749 名の被告株式会社朝日新聞社の虚報により名誉と信用を毀損された日本国民である。

 訴状を読むと日本国民に対して損害を与えたということになるかと思うのですが、外国人も原告になれるようです。

朝日新聞を糺す国民会議

※外国在住の日本人、外国人の方もご参加になれます。
その場合、委任状に記載する御住所は現住所でお願いいたします。
また、お名前と御住所の記載は、アルファベット等の現地語とカタカナ等の日本語を併記してください。
外国在住または外国人の方で印鑑をお持ちでない場合は、イニシャル等のサインで結構です。

 今回もこれでどのように損害を立証するつもりなのでしょうか。

 損害についてもわかりづらいと言うか、そもそも日本国民の名誉が毀損されたと言うのに、日本人で無くても原告になれるのがやっぱり意味不明ですし、原告が名誉を毀損されたことと朝日新聞の関連を立証することはかなり困難だと思うのです。

第 5 損害の発生(被害法益)
1 朝日新聞の本件一連の虚報により、日本国及び日本国民の国際的評価は著しく低価し、原告らを含む日本国民の国民的人格権・名誉権は著しく毀損せしめられた。
2 しかるに、朝日新聞は、同紙の「読者ら」にお詫びするばかりで、国際社会における日本国の尊厳と原告らを含む日本国民の名誉・信用を回復するために国際社会に向けて何らの真摯な努力をしようともしない。読者に詫びて、あとは野となれ山となれということであるのか。謝罪広告が必要な所以である。
3 朝日新聞の原告らに対する上記著しい侵害により生じた有形無形の損害を填補するには、謝罪広告の掲載だけでは到底不十分であり、原告らが被った被害の一部として、原告一人に対して、少なくとも金 1 万円の損害金(慰謝料)を支払わせることが相当である。

 ジャパンデビューの際には、具体的な番組の出演者と言う原告がいても敗訴でした。今回の朝日訴訟の国民と言いつつ外国人も原告になれる形の訴えでどのように勝つつもりなのでしょうか。そもそも勝つつもりがあるのかすら、疑うような動画がupされています。

【緊急速報】朝日新聞2万5千人集団訴訟 第3回口頭弁論 脇博人裁判長の暴挙!一方的結審 ⑤ 藤岡信勝・川村純彦 弁護団報告会 2016.3.17


 ここで三輪和雄氏は「我々はもう負けること覚悟でやってますんでね。国民運動で」と言っています。このことを2万5千人の原告団はわかってやっているのでしょうか。運動目的だけど、それで構わないとちゃんと原告団に説明の上で戦っているのでしょうか。もちろん、そのように運動を盛り上げて世間に知らしめると言う方法はあると思いますが、ジャパンデビューの時、どうなりましたか?結局、6年も争って、最高裁の判決を報道したのは産経新聞のみ。チャンネル桜では何度か放送しましたが、世間一般的には何事もなかったかのように終わっていきましたよね。

NHK“差別表現”訴訟 台湾先住民側の逆転敗訴確定 「『人間動物園』などの表現が原告の名誉を傷つけたとはいえない」2016.1.21


 結局、裁判に勝つことも出来ず、この件を世にしらしめることも出来ず。裁判の目的は何だったのか。同じことを朝日の裁判でも繰り返すつもりなのでしょうか。

 しかし、先に出した錯乱の放送で、裁判官に対して電話,fax、メールでの抗議行動を呼びかけていますが、正気でしょうか。こちらでの動画では裁判所に署名を送ったり、産経新聞などと使って圧力をかけることも考えていることがわかります。

6:18ごろから

【緊急速報】朝日新聞2万5千人集団訴訟 第3回口頭弁論 脇博人裁判長の暴挙!一方的結審 ③ 山口達視・辻 美紀尾弁護士 弁護団報告会 2016.3.17


 水島氏も弁護士たちも何を考えているのでしょうか

日本国憲法第76条3項
すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。

 裁判官が外部からの圧力でその判断を変えること、それを変えさせることはやってはならないことだということも理解できていない。電話であれ、署名であれ一方の言い分で裁判所が下した判断が覆るということが起こりうるなら日本は法治国家でもないし、文明国でもないということになりますね。そもそも判決が下る前にこのような行動を起こすことがどれほど愚かなことなのかもわからないとは。戦略も何もないままに2万5千人もの人を巻き込んで裁判をした上に恥の上塗り。水島氏のあまりのひどいやりかたにあきれるばかりです。弁護士団の人にしてもそうです。錯乱した人たちとかかわると錯乱してしまうということですね。こんな人たちと関わっている人は一刻も早く離れることをお勧めします。

 裁判に訴えてどうこうすると言うのはどちらかと言うとサヨクのやり方ですが、錯乱のやり方はあまりに稚拙です。負けようとも絶対に何かを得ることを考えて動かずに何のために裁判を起こしたのでしょうか。そこで後半では靖国裁判を例にサヨクの戦い方と錯乱との違いを検証してみます。

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本田悦郎内閣幹官房参与は日銀総裁になれるのか~歴代日銀総裁の前歴を調べてみた


 以前、当ブログで取り上げましたが、本田悦郎内閣官房参与がスイス大使に就任しました。

スイス大使就任の本田氏、当面は内閣官房参与も兼務=菅官房長官

 消費増税10%がまだどのようになるか決していない状況なので心配ですが、6月までは内閣官房参与を兼任とのこと。それまでに増税凍結、できれば5%に戻すくらいの決定がなされればよいと思うのですが。

 しかし、今回の異例の人事ですが、経済学者の飯田泰之先生がラジオ番組で、日銀総裁への布石ではないかとの発言をしています。

2016/3/15 ザ・ボイス 飯田泰之 ニュース解説「本田内閣官房参与 今年前半の追加緩和を示唆」「待機児童問題 国民から対策案を募集へ」など

 

 果たして、本田参与は日銀総裁になれるのでしょうか。この「本田参与が日銀総裁」という話はあくまで憶測ですが、戦後の歴代日銀総裁の経歴からそういった道筋があるのかを検証してみたいと思います。なお、こちらは今までの総裁の前歴からざっくり検証しているだけで、経歴だけではない様々な政治的な取引も加わって総裁人事が行われるであろうことは付け加えておきます。

歴代日本銀行総裁一覧

 こちらの一覧は29代までなので、これに30代白川方明氏と31代黒田晴彦総裁が加わることになります。こちらからちょっとだけ踏み込んで、まず日銀出身者大蔵省・財務省出身者、その他に分けて、前歴を加えました。

 まずは日銀出身の総裁、17代と19代は同じ新木栄吉です。名前の後が総裁になる前の経歴です。

 17 新木栄吉 / 日銀副総裁
 18 一万田尚登 / 日銀理事
 22 佐々木直 / 日銀副総裁
 24 前川春雄 / 日銀副総裁
 26 三重野康 / 日銀副総裁
 28 速水優 / 経済同友会終身幹事
 29 福井俊彦 / 日銀副総裁
 30 白川方明 / 日銀副総裁

 ほとんどが、日銀副総裁、例外が日銀理事18代総裁 一万田尚登、経済同友会終身幹事 28代総裁 速水優になります。

 次は大蔵省・財務省出身者。名前の後が財務省退任前のポスト、その後が日銀の総裁になる前の経歴です。

 20 山際正道 / 大蔵次官 / 日本輸出入銀行総裁
 23 森永貞一郎 / 事務次官 / 東京証券取引所理事長
 25 澄田智 / 事務次官 / 日本輸出入銀行総裁 日本銀行副総裁
 27 松下康雄 / 事務次官 / さくら銀行会長・相談役
 31 黒田晴彦 / 財務官 / アジア開発銀行総裁

 黒田総裁以外は全員次官出身者です。黒田総裁は財務官。財務官は財務事務次官や国税庁長官と並ぶ次官級ポストです。そして総裁になる前のポストとしては他銀行の総裁あるいは東証理事長ですね。

 日銀でも財務省出身でもない人は戦後二人。

 16 渋沢敬三 / 第一銀行副頭取 / 日本銀行副総裁
 21 宇佐美洵 / 三菱銀行頭取

 さて、ここで本田参与。彼は財務省出身ですが、外務省への出向や国際機関での経験が多い方です。財務省での最終ポストは財務省大臣官房政策評価審議官。審議官のポストはいわゆる次官級、局長級、局次長級と言われる形で分かれていて、政策評価審議官は局長級のポストだそうです。事務次官経験者でもその後、他銀行総裁などを経験してから日銀総裁になることを考えると、次官級のポストではない本田参与が日銀総裁になるには更なるキャリアが必要かと思われます。そこで戦後、大使出身者で日銀総裁になったことのある人物を探してみましたが、17代総裁、新木栄吉が公職追放され、それが解かれた後駐米大使になり、その後19代日銀総裁になっています。しかし彼は例外ですし、スイス大使という経歴ががどれほどの力を持つのか私にはわかりかねますので、これ以上の言及は控えます。

 さて、先ほどの例でも明らかですが、財務省出身者で日銀総裁になっているのはほぼ事務次官経験者です。前回の日銀人事の際に武藤敏郎元財務事務次官の名前が挙がっていましたが、彼にはもう目がないと思われますので、その後の事務次官経験者の現在を見てみましょう。
 
 林正和 株式会社日本取引所グループ取締役会議長
 細川興一 日本政策金融公庫代表取締役総裁
 藤井秀人 株式会社日本政策投資銀行代表取締役副社長←現在退任
 津田廣喜 株式会社日本取引所グループ取締役会議長
 杉本和行 公正取引委員会委員長
 丹呉泰健 開成学園理事長・学園長
 勝栄二郎 株式会社読売新聞東京本社非常勤監査役
 真砂靖 日本テレビホールディングス株式会社・日本テレビ放送網株式会社社外取締役
 木下康司 株式会社日本政策投資銀行代表取締役副社長

 どれくらいの規模の金融機関のトップになれば日銀総裁としてふさわしいのかの判断が私には出来かねますので、推測になってしまうのですが、ここで、日銀総裁として名前が挙がるとしたら林正和、細川興一、津田廣喜、そして木下康司…

 スイス大使とは、これらの事務次官経験者を押しのけて、日銀総裁になれるほどのインパクトのあるポストなのでしょうか。

 そして日銀とて、2回続けて財務省出身者から総裁を出すことを良しとするでしょうか。

 現在の日銀副総裁は岩田規久男、中曽宏両名。しかしながら岩田氏は元々日銀出身ではなく経済学者で日銀法改正を主張している人物。片や中曽氏は日銀出身で日銀理事も務めた人物。なんとか中曽氏を総裁にしようと動くのではないでしょうか。

 現在の経歴を見る限りでは本田参与が日銀総裁になるのは相当難しいようです。今の黒田総裁の任期が2018年4月、安倍総理の自民党総裁の任期が2018年9月。本田参与が日銀総裁になるにはそれまでに本田参与が確かな実績を積んでいること、そして安倍総理の力が強いことが条件になるでしょう。

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富山市在住。夫と息子、猫2匹と暮らす会社員。

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