増税と政局~保守界隈のバカ騒ぎ ~愛国者それとも愉快犯?青山繁晴編~

 
 さて、「増税と政局」第5弾、今回取り上げるのは民間シンクタンクの独立総合研究所代表取締役社長青山繁晴氏です。普段から自分が愛国者であり、安倍総理と親しいことを公言している彼。なんと安倍総理が硫黄島で土下座をしたのは彼の助言からだそうです。安倍総理を主語にいろいろ語っていますが、本当に親しいのは石破茂氏のようで、自民党総裁選では石破氏を推していました。

たかじんNOマネー コメント力グランプリ 動画 2012年9月22日放送[FULL]


26:00~
 僕は、石破さん安倍さんどちらでもいい。ただし、本来は安倍さんは一度閣僚をやって、特にご自分の主張を外務大臣として貫けるかどうか、ちゃんと世界に示す。それからお腹痛いの克服したのを示して、ほんとに苦労してからもう一度総理にチャレンジすべきだと思うから、今回は石破さんの方がいいと思う。


 この番組なぜか「かわいいから石破さん」などと不思議な石破氏上げが行われていました。しかしさらっと「お腹痛いの」などとマイナスのイメージの言葉を青山氏は挟み込みます。

 参議院選が終わった直後から、麻生財務大臣が、「消費増税は国際公約」と言い出したことは以前の記事にも書いていますが、青山氏もすぐさまそれを言いだしました。

Watch 青山繁晴 安部政権の今後とその課題 2013.7.24


6:45~
 消費増税自体はもう一度申しますが、来春がどうなるかよりも、再来年最終的に今の消費税を倍にするというのはもうこれは避けられないんです。えー、一番大きな国際公約になっていますし、これを避けると長期国債、10年物の国債の金利が上がってえーそれは、もう本当は日本経済を、あるいは日本の国の運営を一番深刻な状態にさせることですから。消費税は倍になること、あるいは倍にすることはもう決して避けられることではないんです。したがって、その、消費増税も実は選択の問題じゃなくて、えー消費税が倍になってもなお私たちのような庶民が、えー中西さんや僕も含めてですね、えー物を買ったり、あるいは車を買い替えたり、えーお人によっては家を買ったりするっていう基礎体力を付けなきゃいけない。もう他のことをやってる暇はありません。

 しかし、これをやり遂げれば安倍総理のやりたいことが出来るそうです。

 そして、なぜか(自分が言ったのではないとしながら)浜田参与に対しての批判が始まります。

アンカー平成25年7月24日



6:45~
 たとえば、内閣の参与の、浜田宏一さんっていう学者の方、アベノミクスの生みの親ですけれど、こういう方がもう、これ(8%の増税)はちょっと飛ばしたらどうだと、ね。
 えー個人消費が、頭打ち、あるいは折れちゃったりすると、アベノミクスは失敗になると言われてるんですが、これ今、本当はですね、政官界で何と言われてるかというと、何と卑怯な話だと。だから浜田さんご意見あるでしょうが、言われてるんですよ。どうしてかというと、アベノミクスがもし失敗したら、それは消費増税なんかしたからだと、いうふうに逃げ道を作ろうとしてるんじゃないかと。これちょっと僕は言いすぎだと思いますよ。浜田さんもうあのご高齢でもあるし、そんな自分のことを考えてるわけじゃないと思うけど、この話の根っこにあるのは、変えられるはずがないってことなんですよ。はい。ほんとは変えられないです。


 政官界で浜田参与が卑怯だと言われている?いったい誰が言っていたのでしょうか。そもそも経済学者の浜田参与が景気悪化するのがわかりきっている消費増税に反対するのは当たり前です。そしてアベノミクスには消費増税は含まれていません。アベノミクスの第二の矢は機動的な財政政策、消費増税はマイナス方向の財政政策です。アクセルを踏んでいるときにブレーキをかけたらどうなるか。それを卑怯だなどと言っている馬鹿者はどこの誰だったのでしょうか。

 8月になると、安倍総理はもう増税を決めている。まだ決めていないのというのは演技だと言いだします。

5:00~

【青山繁晴】TPP・消費税と日米を脅かす中韓の謀略 2013.8.21


 しかしながら、彼が直接安倍総理に聞いたわけではなく、いつも「安倍総理に近い人物」から聞いた話です。官邸の正式なスポークスマンは菅官房長官です。その菅官房長官は増税決断直前まで「総理はまだ決めていない」と言っていました。それが真実かはともかく、安倍総理の表に出したい情報はそれなわけです。それを安倍総理はもう増税を決めている、迷っているのは演技だなどと言ったことを青山氏に話す人物はいったい何の意図でそれを話すのか、そして首相の意に沿わないことを個人的に親しいことを強調しながら番組で話す青山氏にいったい何の意図があるのでしょうか。

 そして「財務省を信用し過ぎなんですよ」「財務省は一般にも非常に悪口を言われているからもうちょっとましなんじゃ思っている人もいるかもしれませんが実態はもっとひどいです」と痛烈に財務省批判をしています。この批判もどういった意図だったのでしょうか。

 10月に入り、増税が決まった直後にもやはり安倍総理は増税を早い段階で決めており、最後の最後まで悩んだのは演技だったなどと言っています(ここでも本人の言葉ではなく政権中枢から聞いたと言っている)。その理由としてインテリジェンス(諜報機関)の活用が濃い。そのインテリジェンスとやらがこれです。

安倍 消費税増税 2013/10/04

11:05~
 中国韓国を主として、そういう外国が動いて、その消費増税の見送りを待っている。つまり日本は約束を貫かない、あるいは財政再建に関心がない。黒田日銀総裁のやっているその政策は僕は支持しますけど、そのきわどい面もあるわけですね。つまり日銀がどんどんどんどんお金を刷って借金の肩代わりをしてると。中韓は実はアメリカはすでにそうゆう世論作りを始めてますけど。で、そうなると実態がどうであれ関係なくですね、日本はそんなことやってるんだから先行き危ないって言うのでたとえば国債でおかしなことがあったり。国債については日本国債は日本で消化されてるから大丈夫って人がいっぱいいますけれど、しかしその日本の中にいる人に手をだすのが外国の工作ですから。だから実はむしろ消費増税を諦めて、その延期したりすると、日本国債の信任を落としてですね。国債だけじゃなくて、どんどんどんどん日本の中の利子が上がってしまうと、いうことを狙ってるということを安倍さんが判断をして、その判断は実はかなり早い段階の情報だったから一切気づかれないように熟慮してる熟慮してるってことでずーっと演技を重ねていったということなんですね。


 しかも12:52から消費税率5%への引き上げがきっかけで、デフレ不況になったというのは事実に反する。原因はアジア通貨危機、普通の経済学者ならみんな知っていると言い出します。確かにデフレ不況は消費増税だけが原因ではありません。日銀の間違った政策にかなり負うところがあります。しかし、確実に景気が悪化していたことは、青山氏の持ってきたグラフでも明らかではないですか。

青山 グラフ


 そして16:45分頃から、浜田宏一内閣官房参与の話になります。安倍総理は今の段階の増税に反対している浜田内閣参与をどう説得したか。「首相自ら浜田内閣官房参与を説得した。消費税2%分にあたる5兆円を経済対策に使うので実質1%分の消費税増税にすぎない」と。ここで青山氏は消費増税分は全部社会保障に使うという総理の発言と矛盾すると批判します。

ここまでの青山繁晴氏の発言をまとめます。

・消費増税は国際公約、10%までは絶対避けられない。
・増税を避けたら、日本国債の信認は失われて長期国債の金利は暴騰する。中国・韓国はそれを狙っている。そして、それは官邸のインテリジェンス(諜報機関)の判断。
・今まで続いてきたデフレ不況の原因は5%の消費増税ではなくアジア通貨危機。
・浜田参与は消費増税をスキップしたほうが良いと言っていたが、それは消費増税でアベノミクスが失敗したという逃げ道にするつもりで政官界では卑怯だと言われている。その浜田参与を首相自ら説得した。
・2回の増税をやりきれるほどに経済成長をすることが大事。それを乗り越えれば安倍首相は自分のやりたいことをやれる。


 しかし、その後、平成26年の1月ごろになると、消費増税をするのなら解散して信を問うような心構えがないと政権なんか持たないと絶叫しています。今更いったい何を言うのやら。最大の国際公約なのだから変えられないと言っていましたよね?

3:00~

青山繁晴、舛添要一を都知事選立候補させた安倍政権のゲス過ぎる理


 まあ彼は言論の責任を取る気などないのでしょう。あるいは健忘症なのかもしれません。24分頃からですが、増税容認派だったとして浜田内閣参与を紹介していますから。

2014-11.05 青山繁晴 水曜アンカー

 浜田参与が他の参与よりも(増税の影響を)心配していない、と2013年の11月に言っていたという根拠はおそらくこちらの記事でしょう。

浜田内閣官房参与、アベノミクスを採点 金融緩和はAプラスだが、成長戦略はE ロイター 2013年11月16日

記事から引用

 浜田氏は消費増税に反対だったが、にもかかわらず増税が決まったのはなぜか、との質問に対し「私よりも財務省の説得が強かったため」と説明した。ただ増税が景気・物価を下押しする可能性について「私は他の(内閣官房)参与ほど心配していない」と述べ、円安を背景とした外需による効果を期待した。

引用終わり


 これのどこが増税容認派なのでしょうか。日本語理解できてますか、青山さん。そもそも、増税に反対していた浜田参与を首相自ら説得したとあなた自身言っていたではないですか。

 浜田参与の著作などを読んでいれば、彼を増税派などと誤解するはずはないと思うのですが、何度も話題にする割にはその人物について勉強しようとも思わないのでしょうか。

 そして8%の増税を決めた際に、安倍総理が参考にしていたと青山氏が言っていたインテリジェンスの正体が浜田参与の著作で明らかにされています。




『世界が日本経済をうらやむ日 』 2015/1/31
(kindleで所有のためページ数省略)

世界の投資家は日本の財政赤字をきにしていない

 ここまで行っても、「増税しなければ日本は破産する」といった話がいまだに流布され続けているため、「景気が悪化しようが、増税は避けられない」と考える人も多いだろう。
 しかし、安倍首相が、増税を5%から8%にあげると明言した2013年、財務省や財政再建至上主義者たちの主張が誤りであったことは市場が証明している。
 財務省や財政再建至上主義者たちの脅しは、「日本が消費増税を先延ばしにすれば、アベノミクスにも信憑性がなくなり、国際市場だけでなく日本の株式市場も暴落する」というものであった。私も内閣府や官邸でしばしば聞かされてきた。
 しかし、そうであれば、安倍首相が、予定通り消費税を5%から8%に上げることを明言した2013年10月1日の日本の株価は、大きく上昇(少なくとも横ばいであったと)してもおかしくなかったはずである。
 ところが、安倍首相が消費税引き上げを明言した夜(アメリカの昼)のシカゴ市場の日経先物は、上昇するどころか、大幅に下落したのである。その日は、アメリカ赤字関連のニュースなどで各国の株式も下落していたが、S&Pの株価指数が1%ほどの下落であったのに対し、日経先物はその3倍にも匹敵するほど急落していたのだ。
 また、安倍首相が消費税率の8%から10%への再引き上げの延期を表明したのは、2014年11月18日だったが、その日は事前にメディア数社が、消費税率引き上げ先送り表明をリークしていた。増税派の学者やメディアは、消費税率引き上げを先送りした場合には、国際暴落は愚か、株価も暴落するだろうと“予言”していた。
 しかし、11月18日の日経平均は活況で、前日終値の1万6973円80銭から215円高い1万7188円84銭で寄り付き、結局、前日比370円高の1万7344円6銭で引けた。
 これは世界の投資家が、財務省が言うほどに、日本の財政赤字の問題を過大なリスクだととらえていなかっただけでなく、消費税引き上げを回避したことで、日本経済が深刻な景気後退に陥るのを事前に食い止めたとして、逆に評価したことを意味している。
 つまり、「消費増税をしなければ、日本の国債市場と株価が暴騰し、国家が破たんする」といったような主張が誤りであったことは明らかである。
 また財政再建至上主義者たちは、長年、財政再建を先送りにすれば、日本の国債の信認がなくなり、長期金利が暴騰すると言い続けてきた。
 しかし、安倍首相が増税の延期を決めて以降、そんな問題は少しも生じていない。


引用終わり


 どうも青山氏の言っていたインテリジェンスとは財務省と財政再建至上主義者だったようです。

 さて、もう一度先ほどのまとめを見てみましょうか。

・消費増税は国際公約、10%までは絶対避けられない。
・増税を避けたら、日本国債の信認は失われて長期国債の金利は暴騰する。中国・韓国はそれを狙っている。そして、それは官邸のインテリジェンス(諜報機関)の判断。
・今まで続いてきたデフレ不況の原因は5%の消費増税ではなくアジア通貨危機。
・浜田参与は消費増税をスキップしたほうが良いと言っていたが、それは消費増税でアベノミクスが失敗したという逃げ道にするつもりで政官界では卑怯だと言われている。その浜田参与を首相自ら説得した。
・2回の増税をやりきれるほどに経済成長をすることが大事。それを乗り越えれば安倍首相は自分のやりたいことをやれる。

 青山繁晴氏は安倍総理の信頼できる友人なのか、財務省の代弁者なのか、それとも単なる愉快犯なのか?こちらは皆さんのご判断にお任せしましょう。

 それでは次回はこの頃やはり浜田参与を増税派呼ばわりしていたMことN氏のことを語ることにしましょう。
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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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富山市在住。夫と息子、猫2匹と暮らす会社員。

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