本田悦郎内閣官房参与は日銀総裁になれるのか~歴代日銀総裁の前歴を調べてみた


 以前、当ブログで取り上げましたが、本田悦郎内閣官房参与がスイス大使に就任しました。

スイス大使就任の本田氏、当面は内閣官房参与も兼務=菅官房長官

 消費増税10%がまだどのようになるか決していない状況なので心配ですが、6月までは内閣官房参与を兼任とのこと。それまでに増税凍結、できれば5%に戻すくらいの決定がなされればよいと思うのですが。

 しかし、今回の異例の人事ですが、経済学者の飯田泰之先生がラジオ番組で、日銀総裁への布石ではないかとの発言をしています。

2016/3/15 ザ・ボイス 飯田泰之 ニュース解説「本田内閣官房参与 今年前半の追加緩和を示唆」「待機児童問題 国民から対策案を募集へ」など

 

 果たして、本田参与は日銀総裁になれるのでしょうか。この「本田参与が日銀総裁」という話はあくまで憶測ですが、戦後の歴代日銀総裁の経歴からそういった道筋があるのかを検証してみたいと思います。なお、こちらは今までの総裁の前歴からざっくり検証しているだけで、経歴だけではない様々な政治的な取引も加わって総裁人事が行われるであろうことは付け加えておきます。

歴代日本銀行総裁一覧

 こちらの一覧は29代までなので、これに30代白川方明氏と31代黒田晴彦総裁が加わることになります。こちらからちょっとだけ踏み込んで、まず日銀出身者大蔵省・財務省出身者、その他に分けて、前歴を加えました。

 まずは日銀出身の総裁、17代と19代は同じ新木栄吉です。名前の後が総裁になる前の経歴です。

 17 新木栄吉 / 日銀副総裁
 18 一万田尚登 / 日銀理事
 22 佐々木直 / 日銀副総裁
 24 前川春雄 / 日銀副総裁
 26 三重野康 / 日銀副総裁
 28 速水優 / 経済同友会終身幹事
 29 福井俊彦 / 日銀副総裁
 30 白川方明 / 日銀副総裁

 ほとんどが、日銀副総裁、例外が日銀理事18代総裁 一万田尚登、経済同友会終身幹事 28代総裁 速水優になります。

 次は大蔵省・財務省出身者。名前の後が財務省退任前のポスト、その後が日銀の総裁になる前の経歴です。

 20 山際正道 / 大蔵次官 / 日本輸出入銀行総裁
 23 森永貞一郎 / 事務次官 / 東京証券取引所理事長
 25 澄田智 / 事務次官 / 日本輸出入銀行総裁 日本銀行副総裁
 27 松下康雄 / 事務次官 / さくら銀行会長・相談役
 31 黒田晴彦 / 財務官 / アジア開発銀行総裁

 黒田総裁以外は全員次官出身者です。黒田総裁は財務官。財務官は財務事務次官や国税庁長官と並ぶ次官級ポストです。そして総裁になる前のポストとしては他銀行の総裁あるいは東証理事長ですね。

 日銀でも財務省出身でもない人は戦後二人。

 16 渋沢敬三 / 第一銀行副頭取 / 日本銀行副総裁
 21 宇佐美洵 / 三菱銀行頭取

 さて、ここで本田参与。彼は財務省出身ですが、外務省への出向や国際機関での経験が多い方です。財務省での最終ポストは財務省大臣官房政策評価審議官。審議官のポストはいわゆる次官級、局長級、局次長級と言われる形で分かれていて、政策評価審議官は局長級のポストだそうです。事務次官経験者でもその後、他銀行総裁などを経験してから日銀総裁になることを考えると、次官級のポストではない本田参与が日銀総裁になるには更なるキャリアが必要かと思われます。そこで戦後、大使出身者で日銀総裁になったことのある人物を探してみましたが、17代総裁、新木栄吉が公職追放され、それが解かれた後駐米大使になり、その後19代日銀総裁になっています。しかし彼は例外ですし、スイス大使という経歴ががどれほどの力を持つのか私にはわかりかねますので、これ以上の言及は控えます。

 さて、先ほどの例でも明らかですが、財務省出身者で日銀総裁になっているのはほぼ事務次官経験者です。前回の日銀人事の際に武藤敏郎元財務事務次官の名前が挙がっていましたが、彼にはもう目がないと思われますので、その後の事務次官経験者の現在を見てみましょう。
 
 林正和 株式会社日本取引所グループ取締役会議長
 細川興一 日本政策金融公庫代表取締役総裁
 藤井秀人 株式会社日本政策投資銀行代表取締役副社長←現在退任
 津田廣喜 株式会社日本取引所グループ取締役会議長
 杉本和行 公正取引委員会委員長
 丹呉泰健 開成学園理事長・学園長
 勝栄二郎 株式会社読売新聞東京本社非常勤監査役
 真砂靖 日本テレビホールディングス株式会社・日本テレビ放送網株式会社社外取締役
 木下康司 株式会社日本政策投資銀行代表取締役副社長

 どれくらいの規模の金融機関のトップになれば日銀総裁としてふさわしいのかの判断が私には出来かねますので、推測になってしまうのですが、ここで、日銀総裁として名前が挙がるとしたら林正和、細川興一、津田廣喜、そして木下康司…

 スイス大使とは、これらの事務次官経験者を押しのけて、日銀総裁になれるほどのインパクトのあるポストなのでしょうか。

 そして日銀とて、2回続けて財務省出身者から総裁を出すことを良しとするでしょうか。

 現在の日銀副総裁は岩田規久男、中曽宏両名。しかしながら岩田氏は元々日銀出身ではなく経済学者で日銀法改正を主張している人物。片や中曽氏は日銀出身で日銀理事も務めた人物。なんとか中曽氏を総裁にしようと動くのではないでしょうか。

 現在の経歴を見る限りでは本田参与が日銀総裁になるのは相当難しいようです。今の黒田総裁の任期が2018年4月、安倍総理の自民党総裁の任期が2018年9月。本田参与が日銀総裁になるにはそれまでに本田参与が確かな実績を積んでいること、そして安倍総理の力が強いことが条件になるでしょう。
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No title

記事とは違う内容です。ごめんなさい
産経のIRONNAで倉山さんの主張が紹介されてましたよ

Re: No title

> 記事とは違う内容です。ごめんなさい
> 産経のIRONNAで倉山さんの主張が紹介されてましたよ

拝読いたしました。ありがとうございます。
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Author:yumikw
富山市在住。夫と息子、猫2匹と暮らす会社員。

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