チャンネル桜の皇室報道㊤~加瀬英明氏の発言を桜の公式見解と見なします


 所謂「生前退位」報道があってからのチャンネル桜の一連の皇室に関する番組。これに対してはずっといかなるものかと思っていた。

 皇室皇統に関することなので軽々しく発言することは控えたかった。それに様々な論者の意見が全て水島の意に沿ったものということもないだろうと思っていた。しかし、先日このような放送がなされた。

【桜便り】皇統「譲位」の危険 / 西田議員ビデオレター問題 / 沖縄現地報告-辺野古反対派逮捕!米軍キャンプ前にブロック1500個[桜H28/11/30]

 

 西田議員の発言に対する批判である。

 簡単に言うと、西田氏は譲位論で高森明勅・小林よしのり・藤岡信勝氏と同じ、有識者会議では百地さんなどはこの代に限って例外として特措法でやるというもので西田はこれに近い、非常に浅い考え、反対意見の人はどうなのかという意見として見てもらっていただきたいという思いでビデオレターは放送したと。

実際のビデオレターを見ると、水島の言っていることとは少し違う。

【西田昌司】私は天皇陛下の「譲位」に賛成する[桜H28/11/28]


 この動画の中で西田氏の主張をまとめるとこうだ。

・原則としては終身、しかし今回の場合は譲位ということもあっていい。
・明治憲法と皇室典範はもともとセットで作られた。明治憲法の時はイギリスやヨーロッパの王室をモデルにしながら立憲君主制の国を作っていったが、皇室典範は憲法とは別で皇室の家訓という形で作られた。
・今の皇室典範も日本国憲法とセット。日本国憲法はGHQによって日本を軍事的に解体するために作られた。その時同時に臣籍降下で直宮以外は皇室から離脱するという措置が命令された。皇室典範も以前のものを参考にしながらも天皇を国家の元首ではなく象徴なんだという形で作っていった。要するに今の皇室典範そのものがGHQに占領されている時代に作られている。
・今回のことを契機にあまりにかたくなに伝統だなんだというよりまず皇室を、皇統をどうしたら残していけるのか。その危機になっているのは占領中に作られた憲法と皇室典範である。それを改正することを今回の天皇陛下のお言葉から我々は議論を始めるべきだ。
・明治憲法と皇室典範はセットで作られた。その時の意図はなんであったのか。時代背景も含めて考えてみると今回の天皇陛下のお言葉から派生するいろんな問題、矛盾を解消するための議論のとっかかりになると思う。


 実際に聴いていると言葉の端々に気になるところはあるが、特別何かおかしなことを言っているわけではない。

 現在の皇室典範と戦前の皇室典範の違い。

大日本帝国憲法 第七十四條
 皇室典範ノ改正ハ帝國議會ノ議ヲ經ルヲ要セス
 皇室典範ヲ以テ此ノ憲法ノ條規ヲ變更スルコトヲ得ス


 帝国憲法下では、皇室典範の改正は議会を経てなされるものではなかった。帝国憲法と皇室典範は干渉しないがお互いを補いあう典憲体制。それが現在の日本国憲法下では、皇室典範も普通の法律と同じ、国会の議決によって変更されるものとなったしまった。なぜこのようになってしまったのか。このことによっておこる弊害はなんなのか。これはそれこそ西田氏の言う通り議論されるべきものだろう。

 水島を批判するために西田氏をかばっているわけではない。私の西田氏の評価は「野党時代はちょっと光っていたが本来は保守でもなんでもない。本当は共産党に考えが近いんじゃないの?」だ。なぜそのような評価になるかは別の話なので今回はやめておくが、この件に関しては西田氏の発言に特別問題があるとは思えない。それなのになぜここまで水島は批判するのか。

 水島の気に入らないのは西田氏が譲位を認めているからだろう。なぜ水島はどれほどまでに譲位を阻止したいのか。いずれにしてもこのビデオレターは収録したもののいったん保留していたが、違う意見もあるということで放送はしたと、それでも番組のタイトルにまでして批判している。それならば今までの放送、他の言論人の言動は水島の意にかなっていたものということなのだろう。では陛下のお言葉の後で3回も取り上げている加瀬英明氏、彼の発言には賛同しているとみなして話を進めさせていただく。

【緊急特番】皇位継承の危機?渡部昇一、小堀桂一郎、加瀬英明[桜H28/9/1]



 渡部昇一氏、小堀桂一郎氏にもいろいろ思うところはあるが、加瀬氏の発言はどうなのだろうか。

・皇位継承の危機は日本の危機。皇位の継承について今の天皇陛下も含めてあり方を変えてはならない。
・8月8日の天皇陛下のお言葉を拝して、あのように誤解を与える、例えば摂政については好ましくないと読むことが出来るようなお言葉をお述べになると言うことは、あってはならないことだと考えている。
・天皇陛下おひとりの考えでああいうお言葉を国民に向けて発表することが出来るというこの制度もおかしい。
・非常に日本国に存在の一番根源的な問題だから、お言葉ですとかそう軽くこれを陛下がおっしゃったということ自体も大きな問題があると思う。今いる生きている日本人が日本を自由に変えることが出来るというのは恐ろしい発想。

 天皇陛下を含めて皇位の継承のあり方を変えてはならない?では誰ならば変えてよいのか。ご自身の進退に関する発言すらするなというのか。現在の皇室典範は普通の法律なので国会の議決によって変更できるがそれはよいのだろうか。そして摂政について好ましくないと読めるような言葉を述べることはあってはならない?なぜ加瀬氏にそのようなことが言えるのか。

 今の皇室典範の形が出来たのは明治の時代だ。天皇崩御に伴っての即位というのがずっと続けられてきた伝統というわけでもない。しかも、今回の陛下のお言葉ではそれを変えろとは一言もおっしゃっていない。

 問題に思う発言は他にもいろいろあるが、陛下に物言わぬロボットになれとでもいうつもりか。しかし今回は序の口。どんどんエスカレートしていく。

【Front Japan 桜】国体破壊の危機「生前退位」の正体!加瀬英明氏「皇室典範改悪の陰謀」とメディア報道[桜H28/10/20]


・天皇が直接国民に呼びかけるというのは異常なこと。
・陛下は憲法を大切になさるということをおおせられてるが、それに反すること。陛下が直接国民に呼びかける、それも法律を変えろということをおっしゃってる。これは憲法にそぐわないこと。
・どうして陛下を囲んでいる宮内庁を初め、周りはこれを御止めしなかったのか。これは天皇の尊厳というものを危うくする。
・陛下のお言葉の中で、「私」ということが、繰り返し出てくる。「個人」という言葉が出てくるのには、強い違和感を覚えた。特に個人という言葉は明治に入るまで日本語になかった外国語。

 天皇陛下が直接国民に呼びかけることが極めてまれなことであるのは間違いない。それほど差し迫った状況なのだと考えるべきだろう。それに繰り返すが、陛下は一言も「法律を変えろ」などとおっしゃってはいない。なぜそんなことを加瀬氏は言うのか。しかも憲法にそぐわないとはどういうことか。確かに憲法で天皇は国政に関する権能を有しないとされている。しかし、何度も繰り返すが加瀬氏が言うように法律を変えろなど陛下は一言もおっしゃっていない。そして「個人」と言う言葉が明治に入るまで日本語にはなかった言葉だからどうしたというのか。昭和生まれの陛下に外から入ってきた言葉、概念、しかもお生まれになる前に入った言葉まで使うなとでも言うのか。

 加瀬氏は口では「天皇は存在自体がありがたい」と言っている。しかし、本気でそんなことを言っていないのは、次の動画を見ればわかる。

【草莽崛起】11.23 皇室・皇統を考える国民集会 [桜H28/11/26]


 加瀬氏の登壇は10:10頃からだがここで冒頭で言っていることをそのまま書き起こした。

 皆さんこんばんは。えー、先月のことでしたが、NHKが私のところにえー若い記者でしたけど、インタビューにきました。ですから私は、えー、陛下のお言葉はえー、日本の法律を変えろとおっしゃっていられるわけですが、これは憲法違反だ。天皇が直接テレビを通じて国民に呼びかけて法律を変えるようにおっしゃられるのは、これはやはり憲法違反です。ですから私が日ごろ憲法を大切にしようと言っているNHKが憲法違反の放送を行ったというのはおかしいんじゃないですか、と言ったら若い記者が「えーっ」て言ってるんです。

 私は、ま、今の陛下は戦後の御育ちですから、まあその点を私達はよく理解しなければいけませんが、えーやはりあのちょっと我儘がお出になったのだろうと思います。まあこれはあの十分理解して差し上げなければいけないことだと思います。しかし、陛下は御自分の御役割をお間違えになってらっしゃるんじゃないかと思います。天皇は宮中祭祀を行われて神々に祈られ、そして和歌をおつくりになる。これだけで天皇の存在の意義があります。他にあの、国会の開院式に臨まれるとか法律にご署名をくださるとかいうことは、陛下の本質ではありません。ま、近代国家としてそのようなお役割をお願いしてる、ということだけで、天皇陛下は存在されていることだけが、だけで、この国にとって日本が存在している、証になる、えーものです。



 加瀬氏はもう一度、いや、100回でも200回でも陛下のお言葉を聞き直した方が良い。

象徴としてのお務めについての天皇陛下のおことば

 陛下は一言も「法律を変えろ」などとおっしゃってはおられない。陛下のお言葉を聞いて、国民がそのようにしたほうが良いと考えるのは自由だ。しかし、陛下がそのように命じたわけではないし、そんなことにすべきではないのだ。

 そして陛下は戦後の御育ちで我儘がお出になった?では戦前生まれの加瀬氏が陛下にこれほど無礼な発言をするのはいかなることか。陛下はご自分の御役割をお間違えになっている?天皇の本質は祭祀を執り行うこと、存在されていることだけでありがたい、それは確かにその通りだ。しかし、日々、天皇であるということはどのようなことであるかお考えになり、行動なさり、国民と向き合い、国民のために祈っておられる陛下に向かって「我儘が出た」とか「間違っている」とか、一体加瀬氏は何様のつもりなのか。確かに我が国や、我が国の伝統は2000年以上の時を経て育まれたもので、天皇という存在も一代限りのものではない。しかし、今、その伝統を一身に受けて存在し、全身全霊で働いておられる今上陛下に対して「我儘」だの「間違っている」だのの言葉を発する人間の語る「天皇に対する敬意」など、誰が信用するというのか。

 西田昌司氏をあれほど批判しているのに、水島からは加瀬氏に対する批判はない。共演しているときはずっと同調しているので、水島の陛下に対する評価も加瀬氏と同じようなものなのだろう。長くなったので、それに関しては次回に述べることにする。
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富山市在住。夫と息子、猫2匹と暮らす会社員。

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